ワガママなのに周りの人に好かれるワケ

なる(10歳)
なる(10歳)

宿題が終わらないんだ。お願い!手伝って。

なる(70歳)
なる(70歳)

仕方ないのう。今回だけじゃぞ。

「気になる異性に自分を好きになってほしい」「嫌われている人に好かれたい」こういう時はどうすれば相手からみてほっておけない、気になる存在になれるでしょうか?意外かもしれませんが、自分がワガママになると上手くいきます。「認知的不協和の解消」の法則を活用します。

認知的不協和とは?

認知的不協和とは、自分の中で2つの異なる考えが発生することです。今までの自分の考えや行動とは違う新しい事実に直面すると認知的不協和は発生します。例えば、今まで愛煙家でしたが、タバコは健康に良くないことをテレビの特集で理解します。この時に「タバコを吸うこと」と「タバコを吸わない」という2つの考えの矛盾が起きます。これが認知的不協和です。

脳は認知的不協和を解消しようとする

同時にしたい2つの考えがあるのはとても不愉快な状態です。それでどうにかしてそれを解消しようと脳はします。何かと理由をつけて肯定しようとするのです。

もし健康を重視したいなら「健康のために喫煙は良くないから吸わない」と思います。でもタバコを吸いたい気持ちを優先させると「喫煙しても長生きする人がいるから吸ってもよい」と自分に言いきかせるわけです。

前述のタバコの場合は「吸う」「吸わない」を選べますが、選べない場合は脳はますます必死になります。特に過去に行動してしまった場合やすでに起きてしまったことには脳はなんとかして納得しようとするのです。

例えば、前から買いたかった靴を買いに行ったとします。ところが人気で売り切れていました。再入荷の予定もないようです。この場合、買えると思ったのに買えなかったという状態が発生します。認知的不協和ですね。

買えなかったという行動は変えることができません。それで脳は「買う」という考えを修正しようとします。
「買えなかったけどすでに似たような靴を持っていたので買わなくてよかった」 「買えなかったけど高かったから節約できてよかった」などの言い訳を作り出し、本当は欲しかったのに「買わなくてよかったんだ」と思い込もうとするのです。これが認知的不協和の解消となります。

「痩せたいと思っているのに食べ過ぎてしまった」→食べられないで我慢するストレスの方が体に悪い
「恋人を大切にしたいのに浮気をしてしまった」→かまってくれなくて寂しかった

過去にすでにしてしまった行動を正当化するために脳は修正します。「自分は矛盾した行動をとる弱い生き物」ということを認められないのです。

なる(70歳)
なる(70歳)

脳がバランスをとろうとするんじゃな。

ワガママな行動が認知的不協和の解消を引き起こす

認知的不協和の解消を理解すると、今回の本題「周りの人にどうやったら好かれるか」がわかってきますね。気になる人に何かを「やってあげる」のではなく、「やってもらう」のです。つまりワガママになるということになります。

普通好きになってほしい人には尽くす方がいいと思うかもしれません。でも実際は「やってもらう」よりも自分が誰かに「やってあげる」ほうが不思議と相手のことを好きになるのです。

例えば子供を溺愛して過保護にしている親が分かりやすい例。親は子供が大好きなので、望むものを買ってあげたり、身の回りの世話なんでもしてあげます。
では、「やってもらっている」子供はどうでしょうか?沢山「やってもらっている」からと言って同じくらい親が大好きでしょうか?残念ながらそうではありません。それどころか「してもらって当然」という風になり、その状況が当たり前になるかもしれません。
でも尽くす側の親はどうでしょう?子供の要求にどんどん答えて与え続け、どんどん子供のことが好きになります。それに比例して「やってもらってる」子供は親を同じくらい好きなわけではありません。

なる(10歳)
なる(10歳)

やってもらうのが当たり前になるんだよね。

ヒモ男に尽くす献身的な女性は、女性のほうがヒモ男を好きなのです。高価なものをねだるホステスに貢ぐ男性は、その男性がホステスを好きなのです。「やってもらっている」ヒモ男もホステスもそんなに「やってくれた」人を好きじゃありません。

人はしてもらったのでその人を好きになるのではありません。自分がしてあげた時にその人のことが好きになる生き物です。「やってあげる」ことが大きければ大きいほど、「自分があんなにしてあげたのであの人が好きなのだ」と修正します。

次の2つのケースにこの修正力は大きくなると思われます。
1つ目は、嫌いな人に何かしてあげた場合です。「自分は嫌いなはずなのに親切にしてあげたのだから好きなのだろう」と思い込もうとします。2つ目は、とんでもなく凄いことをしてあげた場合です。凄く高価なものを買ってあげた場合や命を救った場合など、大きな犠牲を払った場合その代償を払った理由を見つけようとします。

なる(70歳)
なる(70歳)

行動したことが大きいほど修正するのじゃ。

ポイントはとにかく「やってもらう」こと

ワガママに行動するとはいえ、自分に好意的でない人にいきなり色々と「やってもらう」のは難しいですね。でも認知的不協和の解消を引き出すにはまず相手に「やってもらう」必要があります。ではどうしたらいいでしょうか?

簡単なお願いをすればいいのです。ペンを借りる、持ってもらう、教えてもらうなどです。
すでに記述したとおり、「過去に行動したこと」は変えられません。ペンを貸した行動はもう変えられないので「嫌い」という考えを修正させます。「あまり好きじゃない人だけどペンを貸したのだから好きなのだろう」という具合です。

小さい簡単なお願いを沢山すると、「そういえばあの人によくやってあげてるなぁ」と思うようになります。すでにお願いを聞いた行動は変えられないのでなんで「やってあげる」んだろうと考え始めます。そして「好きなのかもしれない」と思うようになります。ドラマでワガママな人に振り回されて段々好きになるパターンが描かれるのはそのためです。

簡単なお願いをする頻度とお願いの難易度を上げていくバランスが大事です。甘え上手な女性はこの技術が一級品です。最初は簡単なお願いをして凄く喜びます。そして少しずつちょっと頑張ればできるお願いをしていくのです。一度喜んだ顔を見た男性はなんとかしてお願いを叶えたいと思うようになり、どんどん好きになります。お金を借りる人も最初から「100万円貸して」とは言いません。最初は3000円ぐらいから始めるのです。

最初は簡単なお願いを叶えてもらった「事実」を作ります。それから難易度を少しづつ上げていきます。簡単なお願いとはいえ、沢山し過ぎると「なんて図々しい」となりますし、いきなり難しいお願いだと「なんでそんなことしてあげないといけないんだ」となるからです。嫌われている相手には簡単なお願いを少しづつしてみましょう。好きになってほしい人がお願いを叶えてくれた時はどんなに小さいことでも感謝を表しましょう。その頃にはもう相手は、ワガママなあなたの虜になっています。

なる(10歳)
なる(10歳)

みんなが持ってるペンが欲しいなぁ。

なる(70歳)
なる(70歳)

仕方ないのう。買いに行こうか。

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